秋の不定愁訴
先週までは暑かったのに、今週に入って急激に冷え込み、服装の選択に悩まされますね。秋は一日の中の気温変化が激しくなり、場合によっては10℃以上の気温差が生じることがあります。朝の寒さから厚着をして昼間の暑さに汗を掻き、それで湿った肌着により日が暮れる頃に、より寒さを感じるようになる、ということもあるかと思います。このように身体が気温差に振り回されていると自律神経も乱れてきて、様々な症状が出てきます。
・頭が重い
・目の奥が痛い
・疲れが取れない
・よく眠れない
・筋肉痛
・腰痛、背部痛
・めまい
・腹痛
・吐き気 などなど…
こうした症状は不定愁訴と言い、身体に明らかな異常が無く病院でも病名がつきません。
不定愁訴はストレスの反応として現れる身体の症状である場合もあります。ストレスは何も職場環境や人間関係によるものだけではありません。単純に気候変化に身体がついていってない場合にもストレスはかかります。加えて、更年期症状や栄養・睡眠不足など原因は色々あります。
不定愁訴への対策は大きく分けて4つあります。
1.原因となる疾患がある場合はその治療を行う
2.多くの種類の食品をしっかり食べる
3.生活のリズムにメリハリをつける
4.身体を冷やさない
この4つです。一つずつ解説していきましょう。
1.原因となる疾患がある場合はその治療を行う
最初の一つ目については病院の医師の診察を受けて治療を行いましょう。この際、意識して頂きたいことがあります。それは『病院は現状を確認する場所』であり『医師は病気の治療方針を立ててくれるが、治療に取り組むのは患者様ご本人』ということです。医師が治してくれるから大丈夫、と任せきりの意識ではなかなか治りません。医師の指導を実践することが大切です。
そうは言っても患者様それぞれの生活の中、なかなか出来なかったり、そもそも余り何も言ってくれない、という場合ももしかしたらあるかもしれません。そんな場合は小野山陽堂薬局に是非ご相談下さい。その際はお薬手帳をご持参いただけるとより詳しくお話できると思います。
2.多くの種類の食品をしっかり食べる
皆さんは「まごわやさしい」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。この言葉に含まれる食材、「豆類」「ゴマ」「わかめ(海藻類)」「野菜」「さかな(魚介類)」「しいたけ」「芋類」は是非、いずれかでも毎日の食事に取り入れるよう心掛けましょう。
スタミナや筋肉をつけるのに、ビタミンB群を多く含む赤身魚やヒレ・ササミなど脂の少ない肉類、レバーなどもおすすめです。また腸内環境を整えるために腸内細菌のエサとなる食物繊維などを多く含む食材(ゴボウや芋類)、加えて納豆やキムチなどの発酵食品も積極的に取り入れると良いでしょう。
3.生活のリズムにメリハリをつける
自律神経を整えるためには、日中はしっかり活動し、夜はリラックスして過ごすといったメリハリのある生活を送ることが大切です。毎日、就寝は夜12時までに床に入り、できるだけ決まった時間に起床し、日光を浴びる習慣を作りましょう。筋トレや有酸素運動を行って身体をしっかり起こすようにすると効果的です。
歩く、走る、サイクリングする、といった一定のリズムを保ちながらできる運動にはセロトニンの分泌を促す作用があります。抑うつ感などが気になる方は取り入れてみましょう。ご高齢の方は毎日散歩をするだけでも踵にかかる刺激によって身体が骨を強化する方向に働くので続けてみてください。
4.身体を冷やさない
急に冷え込むことが多い時期ですが、特に太い頸動脈のある首周りは冷えると血流が滞りやすくなるので注意しましょう。ネックウォーマー、スカーフ、マフラーなどで温めると血液が温まり、全身の血流が良くなる効果が期待できます。
また、足先の冷えも血液循環を悪くする要因の一つです。冷えを感じる方はレッグウォーマーなどで足首を覆うなどの対策を行いましょう。
そして、一番大事なことですが、夜のお風呂では湯舟に浸かり、身体を温めるようにしましょう。40℃程度のぬるま湯に10分程度浸かると副交感神経が優位になり、眠りにつきやすくなるというメリットもあります。お風呂から上がった直後は身体が火照って暑いかもしれませんが、寝る準備をしている間に身体が冷めてくると次第に眠気がやってきます。これに従ってお休みになられると深い眠りに入れると思います。夜間から明け方は特に冷え込みますので毛布や羽根布団も活用しましょう。尚、寝る前のスマホは脳を起こしてしまい、眠りの妨げになるので控えましょう。
季節の変わり目は、体調と心のバランスを整えることを特に意識し、健やかな生活を送りましょう。
体調やお薬に関して不安なことや気になることがあれば、お気軽に小野山陽堂薬局にご相談下さいね^^