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冬に風邪を引きやすい理由

寒さが厳しくなってきましたね。
年末に向かって忙しくなる中、今年の冬は急に訪れたように感じます。
冬は風邪やウィルス性感染症が心配になる時期です。
何故冬に流行しやすいのでしょうか?理由としてよく聞かれるのは空気の乾燥や冷えだと思います。

ですが、実は人間は冬季には免疫力が高まり、本来は細菌やウィルスに対抗する力が強くなります。
なのに風邪やウィルス性感染症にかかるのは免疫機能がしっかり働けていないのが原因と考えられます。

免疫機能がしっかり働かない要因はいくつか挙げられます。
1.栄養がしっかり摂れていない 又は 偏っている
2.身体が冷えている
3.不規則な生活
4.ストレスが多い オーバーワーク

免疫系の疾患を除けば、大抵はこの4つです。
一つ一つ触れながら、改善方法を考えていきましょう。

1.栄養がしっかり摂れていない 又は 偏っている
 大前提として、一日三食、決まった時間に食べるということをまず頭に置いてください。特に朝食はその日一日活動するために必要な栄養を摂るので、これを抜くと免疫機能を含めて身体がエネルギー不足になってしまいます。もしダイエット等で食事制限をしている場合は夕食の量を減らすなどの方が良いでしょう。
 また食事のバランスも大切です。世代を問わずしっかり摂っておきたいのはタンパク質とビタミン、ミネラルです。タンパク質は身体を作る源ですし、ビタミン・ミネラルは取り入れた栄養を必要なところへ持って行ったり、身体の様々な細胞が正常に働く為に必要です。タンパク質はお肉や魚、豆類など、ビタミン・ミネラルは色の濃い野菜や海藻類、キノコ類などがオススメです。
 更に炭水化物も大切です。よく炭水化物を抜くことでカロリー制限をするダイエットというのもありますが、炭水化物は身体を動かす為のエネルギーです。これを抜くとエネルギー不足になり、身体がだるくなったり、昼間起きているのが辛くなったりします。その上、身体は足りないエネルギーを補填する為に筋肉を切り崩してしまう為、本来削りたい脂肪を燃やす器官である筋肉が減ってしまい、かえって痩せにくい身体になってしまいます。炭水化物の摂取についてはご飯がオススメです。腹持ちが良く、小麦製品(代表的なものがパン)のように体を冷やすことがありません。
 最後に食物繊維についてですが、食物繊維は腸内環境を整えるのに重要な役割を果たします。腸内には沢山の腸内細菌が存在し、この細菌の分布が体調に影響を及ぼします。水溶性食物繊維を摂ると、それらは善玉菌の餌になり、腸内環境を整えます。水溶性食物繊維は海藻類や野菜、芋類に多いです。
 一日三食、決まった時間にバランスの良い食事を摂る。これが大切です。ただ、現代は忙しい方も多く、毎日色んな食物をバランスよく摂る為に料理をする、というのはなかなかハードだと思います。最近は宅配食サービスというのも普及しているのでこうしたものを利用し、家事のウェイトを減らす工夫をするのも手ですね。

 

2.身体が冷えている
 現代人は身体が冷えていることが多いです。ご自身では意識していなくても、お話を伺ってみると身体を冷やす習慣をしてしまっている方が意外といらっしゃいます。
 例えばお風呂はどうでしょうか?シャワーで済ましているという方もいらっしゃると思いますが、これは身体を冷やしてしまいます。一時的にお湯がかかることで温まっても芯までは温まっていませんので、濡れている身体はすぐに冷えてしまいます。冷え性をお持ちの方もそうでない方も、毎日お風呂は40℃前後の湯舟に10分ほど浸かるようにしましょう。(夏場は熱くなるので体に合う温度に下げてくださいね)温浴効果のある入浴剤を使うのもオススメです。更に冬場は浴室や脱衣所にも暖房を使い、急な温度差が発生しないようにして、ヒートショックにも気を付けるようにしてください。
 また、食事や間食でも身体を冷やすものの摂り過ぎに気を付けてください。パンなどの小麦製品は身体を冷やしますし、コーヒーなど暑い土地が原産のものも冷やします。三食の中ではご飯を中心にし、根菜類(生姜や芋類、にんにくなど)もメニューに加えると良いです。温活の定番として紅茶に生姜やシナモンを入れるのも良いですね。尚、年末年始によく食べる「おもち」。原料であるもち米は水を貯め込む性質があるので、摂り過ぎると身体を冷やす要因になったりします。程ほどが良いでしょう。

 

3.不規則な生活
 不規則な生活は自律神経を乱れさせ、免疫機能の低下につながります。夜はその日の内(特に11時頃がオススメ)に床に入って寝るようにしましょう。また朝起きたらカーテンを開き、太陽の光を浴びると身体が覚醒してきます。およそ7時間程度の睡眠を夜に摂り、昼間は活動する。このサイクルをできるだけ大切にしましょう。夜寝られないという方も床に入って目を閉じるだけでも違います。ただ、ご年配の方の場合、長く眠れないという方もいらっしゃいます。寝ないと寝ないとと思う程、ストレスがかかって眠れなくなるので、その場合は短時間でも深い睡眠を取れたら良し、と考えましょう。夜10時~12時までの間に床に入って頂き、3時間眠るだけでも脳が休むことはできます。注意するべきは寝る前の習慣で、まずテレビやスマホは寝る30分前には遠ざけましょう。またアルコールは睡眠の質を下げるので寝酒はお控え下さい。

 

4.ストレスが多い オーバーワーク
 現代社会はストレスが多く、またオーバーワークになりがちです。時間が取れる時はストレス発散になる趣味を見つけておくと良いです。特に何かを制作する趣味は気分転換になりますし、身体を動かす趣味は運動習慣にもなるのでオススメです。逆にソーシャルゲームなど受け身の趣味は義務感が生じたりしてかえってストレスになることもあるので、ストレス発散の趣味には不向きです。
 また、SNSの使い方にも気を付けましょう。現代はネットを通じて様々な情報が一気に入ってきます。特にSNSや動画サイトの中には不安や怒りを煽る投稿も沢山あります。自身には直接関係が無かったり、今すぐどうすることもできない事柄に対してもストレスを覚えてしまうので、こういったものはスルーするようにしましょう。どうしても目につく場合はSNSや動画サイト自体から距離を置くことも大切です。思い切って旅行やキャンプなどで非日常や自然に触れるのも良いでしょう。
 そして、オーバーワークについてですが、まずスケジュールが過密にならないよう余裕を持たせましょう。無理な仕事、自分で作った余裕の時間を潰す仕事は勇気をもって断りましょう。自身の心身の安定を守ることが健康の秘訣であり、仕事の効率を高めることに繋がったりもします。普段の仕事も楽しく取り組みたいものですね。

 

 ここまで一緒に改善方法を考えてきましたが、全てを一気に取り組むことは難しいと思います。自身の出来るところから始めていくのが良いでしょう。そうして日常の習慣を少しずつ改善していくと、免疫力も高められ、風邪やウィルスとは無縁の元気で健康な毎日を送れるようになると思います。
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